東京女子医科大学病院 膠原病リウマチ痛風センター
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ナノゾラは、「ヒト化抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤」であり、6番目のTNF阻害薬として、2022年に関節リウマチに対する治療薬として発売されました。

日本初のナノボディ製剤であり、 2つの抗ヒトTNFαナノボディと1つの抗ヒト血清アルブミンナノボディが融合した三量体構造をもちます。ナノボディとは、ラマなどのラクダ科の動物によって自然に生成される特殊なタイプの抗体に由来する分子であり、従来の抗体の4分の1のサイズなので、従来の抗体製剤ではアクセスできない体内の標的部位にアクセスできる可能性があり、炎症部位への集積向上が期待されています。

ナノゾラは、血清アルブミンと結合すると半減期が延長するために、1回 30mgの4週間間隔での皮下注射投与が可能です。すなわち、シンポニーと同様に、外来通院での投与が可能な薬剤です。当センターに4週に1度、通院されている患者さんは、外来の通院時に、病院内で看護師さんにより注射してもらうことが可能です。また、この製剤はメトトレキサート(リウマトレックス®)との併用の有無にかかわらず投与が可能な薬剤です。

「ナノゾラ」も、他の生物学的製剤と同様、免疫の働きを低下させるため、感染症にかかりやすくなる事があります。体のだるさや口内炎、咳なども含め、少しでも「体調がおかしい」、「いつもと違う気がする」といった事があれば、すぐに主治医や看護師に相談してください。

「ナノゾラ」は1本(50mg)約11万円です。通常1ヶ月あたり約34,000万円の自己負担となり(3割負担の場合)、これに再診料・検査料・処方箋料などが加わります。

文責 田中榮一
2023年10月13日更新