中村昌平 先生の論文がImmunology Lettersに掲載されました。
Immunol Lett . 2025 Dec:276:107066.
A shared monocyte cytokine signature induced by serum from patients with systemic lupus erythematosus and anti-MDA5 antibody-positive dermatomyositis through the type I interferon pathway
Shohei Nakamura, Yuko Okamoto, Hideto Takada, Yasuhiro Katsumata, Masayoshi Harigai
PMID: 40780484
この論文は、全身性エリテマトーデス(SLE)および抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎(MDA5+DM)の患者血清が、単球に共通するサイトカインシグネチャーを誘導することを示しました。具体的には、健常人単球にSLEやMDA5+DM患者血清を添加すると、MCP-1およびIL-1RAの発現が上昇し、このシグネチャーはI型インターフェロン(IFN-α/β)刺激により誘導されるものと類似していました。一方、抗ARS抗体陽性筋炎や健常人血清では同様の誘導は認められませんでした。RNAシーケンス解析では、SLEおよびMDA5+DM血清はIFN-αβシグナル経路を中心とした多数の遺伝子を共通に活性化しており、JAK阻害薬であるウパダシチニブによってこの単球シグネチャーは抑制されました。本研究は、SLEとMDA5+DMにおける血清因子がI型IFN経路を介して単球を活性化し病態形成に関与する可能性を示すとともに、JAK-STAT経路が治療標的となり得ることを示唆しました。